できます。各販路のAPIから前日の注文と売上を毎朝取り出し、販路ごとにまとめて1通にし、LINEやSlackに送る仕組みをつくります。毎朝決まった時刻に自動で動くので、管理画面を開いてCSVをダウンロードする作業はなくなります。
方法は、自分でつくる、ツールを使う、人に頼むの3つです。どれが向いているかは、販路の数と、売上だけでなく利益まで見たいかで決まります。
【日の出ボタニカル】10月21日(火)の結果 売上 186,400円(先週の火曜より +12%) 注文 61件 Amazon 112,300円(38件) 楽天 51,800円(16件) Shopify 22,300円(7件) 広告費 18,900円 広告の売上は広告費の6.1倍 在庫 ルイボスブレンド茶はあと9日分。発注の下書きがあります 今日やること(2件)→ ダッシュボードで確認
Dahlia AI は、この仕組みをEC事業者向けにつくって、お客様のアカウントの中でお渡ししているサービスです。ツールやアプリの販売ではありません。自社のECブランドでも、同じ仕組みを毎日使っています。
どの方法が向いていますか?
販路が1〜2つで売上だけ見られればよいなら、まず自分でつくるか、ツールで十分です。販路が3つ以上ある、手数料や広告費を引いた利益まで毎朝見たい、止まったときに直す人が社内にいない、という場合は、頼むほうが結果的に安くつきます。
Googleスプレッドシートと Google Apps Script(GAS)で組みます。
費用:ほぼ0円
向いている方:販路が少なく、スクリプトを触るのが苦にならない方。
受注をまとめる一元管理システムや、ノーコードの連携ツールに通知機能があれば使います。
費用:ツールの月額
向いている方:すでにツールを入れていて、売上の数字だけ届けば十分な方。
GASが得意なフリーランスか、EC専門の会社に頼みます。
費用:数千円〜数十万円
向いている方:販路が多い方、利益や在庫まで一緒に見たい方。
毎朝のメッセージに、何を入れればいいですか?
売上の合計だけでは、朝にやることが決まりません。私たちが自社のECブランドで毎朝見ているのは、次の5つです。
- 前日の売上と注文数を、販路ごとに。先週の同じ曜日と比べます。前日と比べると、曜日によるぶれで毎日上下して見えるためです。
- 広告費と、広告から出た売上。広告費が売上に見合っているか、ひと目でわかるようにします。
- 在庫があと何日もつか。売れ行きから計算し、発注が必要な日が近い商品だけを出します。
- いつもと違うこと。売上の急な落ち込み、出品の停止、レビューの低評価など。何もなければ「特になし」と書きます。
- 今日やること。上の4つから、手を動かす必要があるものだけを短く並べます。
手数料やポイント、広告費まで引いた利益も毎朝出せますが、手数料の確定は販路によって数日から数週間遅れます。毎朝の数字は「見込みの利益」として扱い、確定した数字は週や月の振り返りで見ると混乱しません。
ひと月分の手残りを販路ごとに比べるだけなら、無料の手残り計算シートも使えます。
データはどこから取りますか?
どの販路にも、注文や売上を取り出すためのAPIがあります。どれも出店者本人が申請して、キー(鍵になる文字列)を発行します。キーには期限があるものが多く、ここが自動化でいちばんつまずきやすいところです。
| 販路 | 使うもの | はじめに必要なこと | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| Amazon | SP-API(注文、レポート、売上金)/広告はAmazon広告API | セラーセントラルで開発者登録をし、自社用のアプリをつくる | 保留中の注文には金額が入っていないため、前日分はあとから取り直す |
| 楽天市場 | RMS WEB SERVICE(受注API) | RMSの「WEB APIサービス」で利用を申し込み、ライセンスキーを発行する | ライセンスキーはおよそ3か月ごとに更新が必要 |
| Yahoo!ショッピング | ストアAPI(注文検索など) | ストアクリエイターProでAPIの利用を申し込み、アプリを登録する | 4週間ごとに再認証が必要 |
| Shopify | Admin API | 管理画面でカスタムアプリをつくり、アクセストークンを発行する | 4つの中ではいちばん始めやすい |
手順や期限は変わることがあります。上の表は、2026年10月に各販路の公式の説明で確かめた内容です。
LINE・Slack・Chatwork・メール、どれで送れますか?
どれでも送れます。社内の人がふだんいちばん見ている場所を選んでください。LINEの場合、以前よく使われていたLINE Notifyは2025年3月に終わったので、いまはLINE公式アカウントのMessaging APIを使います。
- LINEは、LINE公式アカウントをつくってMessaging APIを有効にします。無料のコミュニケーションプランは月200通まで。1人に毎朝1通なら月30通ほどで、送る相手が増えればそのぶん通数も増えます。
- Slackは、送り先のチャンネルにIncoming Webhookを追加し、発行されたURLに送るだけです。無料プランでも使えます。
- Chatworkは、APIトークンを発行し、ルームを指定して送ります。
- メールは、GASならGmailからそのまま送れます。いちばん手軽ですが、ほかのメールに埋もれがちです。
自分でつくる場合の手順は?
Googleスプレッドシートを1枚用意し、GASで「取り出す、まとめる、送る」を書いて、毎朝の時刻に動くよう設定します。1販路だけなら、慣れた人で数日の作業です。
- 各販路でAPIの利用を申し込み、キーを発行する(上の表を参照)。Amazonは審査に数日かかることがあります。
- スプレッドシートに、販路ごとの「注文」タブと「毎日の集計」タブをつくる。
- GASで、前日(日本時間の0時〜24時)の注文を取り出してタブに書き込む。
- 販路ごとに売上と注文数を集計し、先週の同じ曜日と比べる。
- メッセージの文面を組み立てて、LINEやSlackに送る。
- トリガーで毎朝7時ごろに動くよう設定する。
- 失敗したときにも知らせが届くようにする(次の章)。
自分でつくるとき、どこでつまずきますか?
つくるのは、実はそれほど難しくありません。難しいのは、止まらずに動き続けさせることです。私たちも自社のECブランドで、次のようなところでつまずきました。
- キーの期限切れで、静かに止まる。楽天は約3か月、Yahoo!ショッピングは4週間で期限が来ます。期限の1週間前に知らせが来るようにしておきます。
- 「届かない」が、売上ゼロなのか故障なのかわからない。売上がない日も、失敗した日も、必ず毎朝1通送るようにします。何も来ない朝をつくらないことが大切です。
- あとから数字が変わる。キャンセル、返品、Amazonの保留中の注文が数日後に確定します。前日分だけでなく、直近の数日分も毎朝取り直します。
- APIが「0件」と答えても、本当に0件とは限らない。認証や通信のエラーが、空の結果に見えることがあります。管理画面の数字と、ときどき突き合わせます。
- GASの実行時間に上限がある。1回の実行は6分までです。販路や注文が増えたら、販路ごとに分けて動かします。
Dahlia AI ならこうします
お渡しする仕組みには、ここで挙げたつまずきへの備えを最初から入れています。
- キーの期限が近づくと、ダッシュボードでお知らせします。保守 ライト(月3万円)なら、更新も弊社が行います。
- 取り込んだ注文や広告費は、毎朝それぞれの販路の集計と突き合わせ、重複と取りこぼしを確かめます。止まった取り込みは、自動でやり直します。
- キャンセルや返品であとから変わる数字に備えて、過去60日分を毎週見直します。
- 手数料は、販路からの請求額と照合します。毎朝の見込みの利益と、確定した利益の差もわかります。
ツールを使う場合は?
受注や在庫をまとめる一元管理システムを使っているなら、まずそのツールの通知機能やレポート機能を確認します。ノーコードの連携ツールにも、注文が入ったらLINEに送る、といったテンプレートがあります。
ツールごとに、対応している販路や取り出せる項目が違います。売上の合計は出せても、手数料や広告費を引いた利益、在庫の残り日数まで1通にまとめるのは難しいことが多いので、何を毎朝見たいかを先に決めてから選ぶと、迷いにくくなります。
人に頼むと、いくらかかりますか?
簡単なGASの作成なら数千円から、販路のAPIをつなぐものは1万円台からの出品が、ココナラなどのスキル販売サイトで見られます(2026年10月時点)。販路が3つ以上あり、利益や在庫、止まったときの対応まで含めると、数十万円の規模になります。
頼むときは、金額のほかに次の4つを確かめておくと安心です。
- キーの期限が来たときや、販路の仕様が変わったときに、誰が直すか
- 仕組みとデータを、自社のアカウントに置いてもらえるか
- 契約が終わったあとも、使い続けられるか
- 購入者の名前や住所などの個人情報を、取り込まない設計にできるか
Dahlia AI の場合は、販路3つまでの導入プランが30万円(税別・一度きり)で、毎朝のレポートに加えて、利益、在庫、広告の知らせ、週次・月次のレポートまで含みます。キーの更新や仕様変更への対応は、任意の保守(月3万円から)でお引き受けしています。詳しくは料金のページをご覧ください。
よくある質問
売上がない日も、メッセージは届きますか?
届くようにつくるのがおすすめです。売上がない日にも「0円」と届けば、仕組みが動いていることがわかります。何も届かない朝は、故障のサインとして扱えます。
LINEで送ると、お金はかかりますか?
LINE公式アカウントの無料プラン(コミュニケーションプラン)は月200通まで送れます。1人に毎朝1通なら月30通ほどなので、無料の範囲に収まります。送る人数が多い場合は、有料プランを検討してください。
楽天のライセンスキーの期限が切れると、どうなりますか?
楽天のデータが取り出せなくなり、レポートから楽天の数字が抜けます。期限はおよそ3か月なので、期限の前に知らせが届くようにしておき、RMSで新しいキーを発行して登録し直します。
購入者の個人情報は取り込まれますか?
売上のレポートに、購入者の名前や住所は要りません。注文番号、金額、商品、日時だけを取り込む設計にできます。Dahlia AI でも、購入者の個人情報は取り込みません。
一元管理システムを使っていても、つくれますか?
つくれます。注文はシステムからまとめて取り出し、広告費や手数料は各販路から取る、という組み合わせもできます。Dahlia AI では、ネクストエンジンと併用する形にも対応しています。